研究費
研究費
科学研究費補助金
‣基盤研究(C)・代表
•期間:2021年4月〜2024年3月(予定)
•題目:東南極における氷河流動と底面融解の相互作用に伴う消耗量変動の解明
•概要:西南極では暖かい海水による棚氷の底面融解の加速が顕著であるが、東南極では対照的に冷たい海水を有する特徴を示している。しかし、東南極も底面融解強度の高い地域があり、南極氷床変動の理解への不確実性が生じている。本研究では東南極における氷河末端部の流動と氷厚変動を全天候型の衛星マイクロ波合成開口レーダデータと、GPSとアイスレーダによる現地観測データとの融合解析を実施する。これにより氷河下の底面融解に伴う氷河の流動変動の定量的な理解が可能になり、南極氷床変動の理解への不確実性解消の一助となる。
‣基盤研究(A)・分担
•期間:2020年4月〜2023年3月(予定)
•題目:高精度海氷情報取得のためのマイクロ波放射伝達モデルの開発
•概要:本研究はマイクロ波による衛星リモートセンシングの代表的な手法であるマイクロ波放射計(MMR)と合成開口レーダ(SAR)を用いて、地球環境における雪氷圏の状態・変動の把握と北極海航路等の社会利用可能な応用研究にも拡大できるようにすることを目的とする。マイクロ波帯の輝度温度と後方散乱係数を決定づけている海氷の表面および内部の物理構造ならびにそれらの季節変化を詳細に明らかにし、放射伝達モデルに必要な新たなパラメータを得る。これにより、これまで観測データに基づいた経験的な手法に依存していた氷厚推定に対し、物理構造に基づいた考察が行い、氷厚推定の理論モデルにおける不確実性を解消する。本研究で、これまで考慮されていなかった様々な厚さ毎の海氷分布を算出することを目指す。これは極域気候研究の課題である海氷量と成長予測の推定につながるものであり、様々な気候、海洋、氷海工学の発展に繋がるものである。
‣新学術領域研究(研究領域提案型)・分担
•期間:2017年4月〜2022年3月(予定)
•題目:固体地球と氷床の相互作用
•概要:本領域は、東南極を主なターゲットとし、これまでのこの地域における日本の先見性を活かし、現場観測とモデル研究を融合させ、南極とその周辺における底層水・周極流・生態系・氷床・固体地球の実態と変動の素過程、およびそれらの相互作用を明らかにする。特に、氷床-海洋の相互作用や、過去の南大洋と南極気候・氷床変動の復元、生物動態等の変動の解明を目指す。これらを通して、ミッシングピースであった東南極の環境システムモデルを構築し、南大洋と南極氷床が種々の相互作用を通じて全球環境変動に果たす役割とそのメカニズムの解明に迫る。本領域研究は、気候の将来予測や社会影響など、多くの分野への波及効果も期待される。多階層の数値モデルによるシミュレーションと現場観測データとの融合、分野横断による現場観測や、無人探査技術の工学的発展など、学際的側面の意義も大きい。さらに、本領域で得られる成果を基に、東南極を研究対象とする各国と連携し、日本発の国際共同研究の発展に向けた土台を創生する。
‣基盤研究(C)・代表
•期間:2018年4月〜2021年3月(終了)
•題目:南極氷河の流動と海氷の動態との相互作用と十年規模変動の解明
•概要:南極リュツォ・ホルム湾において、氷河末端を取り囲む海氷(定着氷)は、氷河を通して排出される氷(後に氷山となる)が海へ直接的に流出することを抑制する働きを持っている。これまでの研究では、同湾の氷河末端部の流出は十年周期と見られているが、そのメカニズムの理解には未だ至っていない。したがって、本研究では南極氷河末端とその周辺を取り囲む海氷の変動を、衛星観測データの解析により季節変動と年々変動を明らかにする。衛星観測データの解析結果は、現地観測結果との統合的な解析を通して評価することにより、南極氷床縁辺域で起こる長期変動現象の定量的な理解が可能になる。
地方公共団体
‣福島県
産学連携ロボット研究開発支援事業・分担
•期間:2018年4月〜2021年3月(終了)
•題目:ドローンを活用した省人化・効率化を目指す橋梁点検システムに関する研究開発事業
•概要:平成26年6月より、国内全ての道路橋に対し、5年に1度の頻度で専門技術 者による近接目視点検を行うことが義務づけられているが、人的および時間 的コストが課題となる。そこで、落下に対する安全対策技術を施したドローンにより現場の画像計測を実施し、撮影画像に基づくAIの点検の補助やVRを用いた橋梁の見える化により、専門技術者が現場に行くことなく、これまでよりも多くの橋梁の点検と診断を実施できるシステムを開発する。
‣(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構
大学等の復興知を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業・分担
•期間:2019年4月〜2021年3月(終了)
•題目:住民と学生の協働による「ロハスビレッジかつらお」復興まちづくり
•内容:野生鳥獣の生息域を調査することを目的とした高精度な土地・植生被覆図の作成のため、ドローンによりマルチスペクトル画像を、最低限季節変化を追える時系列で取得する。ドローンにより取得された画像の解析から、土地・植生被覆図の時系列変化を求める結果、植生のフェノロジーを考慮した空間分解能の高い土地・植生被覆図を作成する。既往の土地被覆図や無償提供の衛星データの解析では分類が困難である川幅の狭い対象を含む水域を可視化も検討する。
大学・研究機関
‣国立極地研究所一般共同研究・代表
•期間:2019年4月〜2022年3月(予定)
•題目:衛星搭載合成開口レーダを用いた東南極の氷河と海氷の変動解析
•概要:東南極地域における氷河と、とくに大陸沿岸定着氷およびその近傍の流氷の動態を把握し、その季節・年々変動の物理機構を明らかにすることを目的とする。衛星リモートセンシングデータとして主に合成開口レーダ(ALOS-2/PALSAR-2)を用いた解析によって、氷河および海氷の水平方向の変位成分を算出し、その空間分布や時間変化を調べる。また、海氷域に流入している氷河や氷床末端部の流動特性との関連を調べることによって、定着氷の安定性に及ぼす陸氷の影響を評価する研究へ発展させる。さらに、本研究で得られた成果に基づいて、既存の観測データとの比較や今後の検証データ取得に向けた現地観測の計画立案についても検討する。
‣北海道大学低温科学研究所一般共同研究・代表
•期間:2018年4月〜2021年3月(終了)
•題目:衛星観測で捉えた東南極における氷河流動と海氷状態変化の相互作用
•概要:メルツ氷河や白瀬氷河等の流動場および接地線を含む流動環境を、衛星観測されたデータを解析することにより導出する。とくに、Calving端の前後に注目して、主として合成開口レーダ(SAR)を用いることにより、氷河およびそれを取り囲む海氷の流動環境の時間的かつ空間的変動に関する考察を目指す。
‣国立極地研究所一般共同研究・分担
•期間:2017年4月〜2020年3月(終了)
•題目:合成開口レーダー(SAR)データの偏波特性に着目した南極域の観測手法の高度化
•概要:地球環境変動を反映する南極氷床・氷河などの変化の観測に、衛星搭載合成開口レーダ(SAR)データから作成した強度画像、干渉画像が使われてきた。近年、我が国のALOS-2衛星など新たな高分解能多偏波SARセンサを搭載した人工衛星が運用されており、偏波データ解析を南極域の観測に応用することが期待されている。極地研究所に蓄積されてきた南極域の衛星搭載SAR(ALOSほか)データによる強度、干渉解析のほか、現在運用中のALOS-2衛星のフルポラリメトリデータに対して偏波特性に着目した各種の解析手法を適用した結果を、地表や氷の状況と比較する。また、同時に取得されたHH、HV、VV偏波データ相互間の振幅比や位相差なども考慮して、南極観測で有効なSAR偏波データを生かした総合的な解析手法の高度化を行う。
学内研究費
‣日本大学工学部長指定研究(特別研究)・代表
•期間:2017年4月〜2020年3月(終了)
•題目:機械学習を用いた南極域における氷山の検出と分布特性の理解
•内容:南極リュツォ・ホルム湾は白瀬氷河の排出口となっており、氷河を通して排出される氷床の氷(後に氷山となる)は、その融解により海洋へ淡水供給がなされることから、海洋の低塩分化や密度および温度変化を通して海洋循環へ影響を及ぼし、気候変動をも氷山がその一部を駆動することへとつながる。これまでの研究では、同湾の氷河末端部の流出は十年周期と見られているが、そのメカニズムの理解には未だ至っていない。したがって、本研究では南極氷河により排出される氷山について、衛星観測データに機械学習とくに深層学習(ディープラーニング)を適用して、氷山の検出とその分布特性を理解することを目的とする。
‣日本大学工学部長指定研究(特別研究)・分担
•期間:2019年11月〜2021年3月(終了)
•題目:台風19号レベルの豪雨災害に対するキャンパス強靱化プロジェクト
•内容:台風19号に伴う豪雨により、本学部(東北高校を含む)キャンパスおよびその周辺の学生居住地域において大規模な水害が発生し、大学の希望が一部停止すると共に、多くの学生が居住困難な状況に陥った。今後も発生する恐れのあるこの種の災害に対し、短中長期的視点に立ってキャンパスの強靱化を進めるためには、今回の催芽に関する減少を正確に把握すると共に、災害の詳細なメカニズムを分析、解明する必要がある。そこで、これらの専門家を中心とするタスクフォースを学内に組織し、郡山市等と連携の下、その被災現象およびメカニズムの分析、解明を進める。また、キャンパス周辺の学生の住環境や避難行動に関するタスクフォースも立ち上げ、両者が連動してこの種の豪雨災害に対し強靱なキャンパスを実現するためのプロジェクトを推進する。
現在〜過去のプロジェクト